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2005.05.17

樋口直哉「さよなら アメリカ」

第四十八回群像新人文学賞の小説当選作。『群像』6月号収録。76ページの中編。

「SAYONARA アメリカ」という文字が入った紙袋を頭に被って生活をしている(袋族という表現が使われている)精神異常の男(「ぼく」)が突然目の前に現れた引きこもりの弟、「ぼく」と同様に袋を被って生活をする女性と3人で暮らすが、弟は殺されてしまう。「ぼく」は女性が犯したはずの放火の罪で警察に捕われ、精神病棟に隔離され、司法から死刑の宣告を受けてしまい再審請求も出来ないというあらすじ。

ストーリーからして訳がわからないのだが、「ぼく」の独白の形で進められる文章になぜかドキドキしながらぐいぐいと引き込まれてしまれて一気に読み切ってしまった。最初、「ぼく」の精神的異常性と独白の語り口から、「ライ麦畑でつかまえて」を連想したんだけど、それで片づけちゃうのはあまりにも安直なようだ。精神病棟の部分は「ドグラ・マグラ」(そういえばまだ全部読んでないな)を起想した。

弟も女も実は「ぼく」だったのかなという気がするが、どうなんだろう。でも、そうだとすると弟の死というのはどのような意味を持つものなのだろうか、などといろいろなことを考えてしまう。

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