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2005.12.09

島本理生「大きな熊が来る前に、おやすみ。」

新潮』1月号収録。28ページで短篇というか中篇というかそんな感じの長さ。

作者と同世代の女性が主人公の小説。というか島本理生はそういう作品しか書かない(書けない?)けど。同棲している男性との関係を自分の父親とダブらせながら描いている。恋愛といっても燃えるようなドラマチックなものではなくて、自分は本当にこの人のことが好きなのかを自問自答しながらのもので、その辺の感覚は島本理生の真骨頂といってもいいのかな。清々しい澄んだ文体も含めてまさに彼女の持ち味ではあるのだが、なかなかそれ以上のものが感じられなくて少し不満だなと思っているうちに話が終盤になちゃったような感じがしないでもない。ラストの場面でちょっとした展開があったんだけど、登場人物がセリフ説明しちゃっていて、なんか慌てたような印象の終わらせ方になっちゃったのはやや残念。もっとじっくりと描写してもよかったような気がする。

全体の出来としては悪くはないのだけれど、この人には期待しているものが大きいので、ちょっと辛口になっちゃうのかな?

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