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2007.07.17

諏訪哲史「アサッテの人」

読み終わった。『群像』6月号収録の第50回群像新人文学賞小説当選作&第137回芥川賞受賞作。

通常の会話の中に突然、「ポンパ」、「チリパッハ」、「ホエミャウ」、「タポンテュー」といったアサッテな言葉を発する奇妙な癖のを叔父(失踪中)について、彼の甥が語り手として描写しようとしている。

話の序盤は甥の立場から見た叔父についての考察や交通事故で亡くなった叔父の妻の立場を装って語られたエピソードなどが描かれていて、中盤以降は甥が見つけた叔父の日記(というか手記)からの抜粋と甥による考察によって構成されていて、時系列に並べられている手記の内容が次第に狂気じみていっていて、叔父の精神が何かに蝕まれていっているのが手に取るようにわかる。

特に終盤はエビデンス(日記)+アサーション(甥の考察)の組み合せというパターンがベースになっていて、なんとなく論文っぽいなって印象も受けた。小説としてはかなり難解な分野に属することになるのかな。短文のケータイ小説ばっかり読んでいる小娘には理解出来ない小説であることは確かだろう。叔父の手記や厭世思想、あるいは第三者(ここでは甥)による描写ということでは漱石の「こころ」に出て来る先生を思い出したりなんかしたけど。

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» 第137回芥川賞直木賞の受賞作品と候補作品 [及川的大人のブログ]
第137回芥川賞と直木賞の受賞作品がそれぞれ決まりました。 芥川賞は「論理的で綿密に計算され、 構成された作品でありながら頭でっかちになっていない。 叔父さんの体温が伝わってくる」などと評価され、 諏訪哲史さんの「アサッテの人」に決まりました。 「アサ....... [続きを読む]

受信: 2007.07.18 19:20

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