田中慎弥「聖書の煙草」
『群像』2月号収録。
33歳、無職で母親と2人で横にドブ臭い川が流れる安アパートに暮らす男性がのモノローグで進行。こんなことになってしまったのは父親の棺桶に煙草と破いた聖書の1ページ(ペラペラした紙、特に聖書で包んで吸うと旨いらしい)を入れたための罰なんじゃないかと母親が言っていることから来ている。
男の住んでいる町で強盗事件が起き、警察がアパートを訪ねて来る。自分が疑われていることに気付いた男性はそれを警察が道を決めてくれたと解釈し、犯罪者になろうとするが…といった感じのあらすじ。
最近ありがちの設定の小説ではあるんだけど、伏線が張られた形のストーリー、緊張感のあるディテールに凝った描写、主人公の中に潜む狂気などなど、なかなかスリリングだった。
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