喜多ふあり「けちゃっぷ」
![]() | 文藝 2008年 11月号 [雑誌] 河出書房新社 2008-10-07 by G-Tools |
第45回文藝賞受賞作のうちのひとつ(もうひとつは安戸悠太「おひるのたびにさようなら」)で『文藝』2008年冬季号に収録。声を発するよりもキーボードや携帯のボタンを押す方が早くなってしまった引きこもり少女(バンドのketchup maniaのボーカルをマネしてHIROと名乗っている)が目の前で起こったことを携帯でブログに掲載していくもの。話の中で出てくるヒロシという大学生とは(たとえ目の前に本人がいても)主にブログへの書き込みでコミュニケーションを取るというかなり極端な設定で起きる事柄も同様にかなり突飛で映像作品の撮影現場でひと悶着、ふた悶着みたいな。いちいちブログを使うところがちょっとしつこいような感じもしたけど。
最初、主人公の少女のつぶやきなんかを読んで宮崎誉子風の作品なのかなと思ったらそうでもなかったようで。さらに作者の紹介を読んで20代後半の男性ということを知って驚いた。女性が書いたものと思い込んで読んでいたので。写真を見る限りボーイッシュな女性にも見えないこともないような感じの男臭さはあまり感じさせないような人ではあるようだけど。
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