宮崎誉子「青瓢簞」
![]() | 新潮 2008年 12月号 [雑誌] 新潮社 2008-11-07 by G-Tools |
『新潮』12月号収録の小説。
大学を出ても職に就かず作家になるといいつつも小説は書かずに部屋に引きこもる兄を鬱陶しく感じつつ「なぜ私だけ?」という思いで派遣労働に勤しむ妹。
全体をつつむ甘ったるいムード、主人公の覚めた視線、時おり繰り出される辛辣な言葉にドキッとさせられるのはいつもながらの宮崎誉子ワールド。
「……派遣社員はビニール傘みたいだよね」
「強風ですぐに骨が折れるのは、突然の契約終了ににてるかも〜」(p.77)
熱さや悲壮感とは対極的な位置感が相変わらず絶妙。目次に現代版「蟹工船」とか書いてあるけど、「蟹工船」を読んでいないのでよくわからない。(^^;
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